学部長賞受賞作品

AI(愛)のある介護

3班Eグループ
建築学科 山口遥香
総合機械工学科 岸野航大
総合機械工学科 三谷健人
社会環境工学科 三隅壮一郎
 
今回、介護業界におけるAIの活用法について調査した。現在の介護の問題点を二つ取り上げ、解決策を考察する。
一つ目は「労働災害」である。厚生労働省の調査によると労働災害による怪我人は年々増加している。また、腰痛という力作業が原因となる事例が多くみられる。二つ目は「人員不足」である。同様に厚生労働省の調査によると、平成16年~28年の介護業界の有効求人倍率は、常に「1」を超えている。介護業界における慢性的な人手不足がわかる。また、これから高齢化によって、介護施設での従業員の需要がさらに増えると考えられることから、さらに人員不足が深刻になってくると推測できる。
二つの問題に対する解決策として介護ロボットを提案する。力仕事を介護ロボットが補助、または代行することで労働災害を減らすことができるだろう。また、仕事の一部を人間の代わりにロボットが行うことで、人員不足の解決策にもなる。また、もう一点、長時間労働ができるという利点がある。介護では、要介護者が転倒した場合や急病になった場合に備え、絶え間なく見守るということが理想的だ。しかし、人間は業務時間や疲労などから、丸一日つきっきりで要介護者を手助けすることは出来ない。ロボットであれば絶え間なく見守ることが可能になる。
介護ロボットには介護支援型、自立支援型、コミュニケーション・セキュリティ型がある。一つ目の介護支援型は介護する側の肉体的負担の軽減を目的としている。「ロボットスーツ」がその例としてあげられる。二つ目の自立支援型は介護される側が自分で生活できるように補助することを目的としている。三つ目のコミュニケーション・セキュリティ型はコミュニケーションを通して要介護者の精神的ケアや見守りをすることを目的にしている。
人と接する機会が多い介護において、コミュニケーションは非常に重要な要素である。要介護者に、暖かみや「愛」を感じさせるようにするには、人間のような自然な会話をする能力が必要である。現在その先駆けとなっているのが、PepperやSiriである。また、要介護者の安全を守るため、要介護者の健康状況を適切に判断することが必要である。医療分野での活用と同様に、様々な人のデータの中から今の要介護者の状況を素早く判断をし、適切な処置を迅速に行うことが可能である。
介護業界において大きな問題点は労働災害と人員不足であった。現在、人間が行っている仕事を介護用ロボットが代行することでそれらの問題を解決することができる。しかし人と関わる仕事である介護において、ロボットが人間の仕事を代行するには「人間らしさ」が求められる。AIはロボットに「人間らしさ」を与えるのに必ず必要な技術となる。
 

コメント

創造理工リテラシーの授業を通して、AIの将来性や今後の課題について改めて考え直す事が出来た。特に「ワールドカフェ」と言われるディスカションの講義では、AIに関する意見を班員で共有することができ、貴重な時間を過ごせたと思う。また、創造理工リテラシーの授業は、他学科との交流があるなど、非常に有意義な授業だと感じた。そして、今回の講義で学んだAIの事を将来に活かせればいいと思う。
(三隅壮一郎)
 
創造理工リテラシーの授業では、自分の意見をまとめたり、他者との意見を比べたりして、ディスカッションの勉強になりました。また、今回の課題であったプレゼンは今までの授業の内容を活かせる課題でした。ただ意見を述べるのではなく、スライドの見やすさや、発表の仕方など、グループのメンバーからも学ぶこともたくさんあり、よい機会になりました。
(山口遥香)
 
今回のプレゼンテーションでは、この授業を通して繰り返し扱ってきた「AI」がテーマでした。これからの将来、AIがより生活に密接にかかわってくると考えられます。その将来を生きる一市民として、また機械に関わる人間として、どのようにAIに向き合っていくかを考える良い機会となりました。
(岸野航大)
 
この度は学部長賞をいただき嬉しく思います。プレゼンで発表する側となり資料製作などを行ったのは良い経験になりました。また今回の授業では、自分達のみならず色々な班がAIについてまとめた発表を聞くことが出来ました。班によって資料のレイアウトや話し方が異なっており、「プレゼンの聞き手への伝わり方」を感じることが出来ました。発表側・聞き手側両者の立場に立てた今回の授業はよい機会になりました。
(三谷健人)

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