学部長賞受賞作品

お料理ロボット-AIの調理の実現をするには?

18班Eグループ
建築学科 永尾美沙
総合機械工学科 杉山壮真
経営システム工学科 山本直哉
経営システム工学科 竹内順宇
 
近年、人工知能の発達により「便利な機械」が増えている。スマートフォンに搭載されたSiriや囲碁AIのAlphaGoは人間生活を補助し、時には人間を追い抜くものとして既に社会に存在している。自動運転車や介護ロボットも同様に、この先社会で当たり前に存在するようになるであろう。
今回我々は「お料理ロボット」を例に挙げてAIについて考えた。紹介するのはMOLEYだ。このロボットは、設定した料理に必要な具材処理から味付け、盛り付けに加えてカロリー調節と食器洗浄まで行ってくれるのだ。MOLEYは日本円にして約85万円とかなり高価で、まだ普及は遠い話かもしれないが、世に普及し始めたら大変なインパクトになると考えられる。
我々は、このロボットにおける2つのデメリットとその対策案を考えることで、AIと人間の共存の仕方を探った。デメリットの一つ目は、事故が起こった際の責任の所在が定かでないという点である。これは自動運転車など様々な場面で問題視されているが、未だ発展途上段階にある人工知能に対して、明確な法律や条例はない。より良いロボットの開発・利用のために、技術の乱用を防ぐために、早急にルールを定めるべきだと考える。二つ目は、「手料理」という文化が衰退するという点だ。食事はただ身体を丈夫にするだけでなく、人間の心にも大きな影響をもたらす。手料理には愛情を込める、などと言うように、食事はときに人間を幸せにしてくれるのだ。しかしロボットに全てを任せるようになったとき、この大切な文化が失われてしまうかもしれない。
我々はこれに対し、「人間が料理すべき時」と「ロボットに頼るべき時」を見極めることが重要であると考えた。これはお料理ロボットに限った話ではない。先述した通り、AIによって人々の生活は変わり始め、これを懸念する議論は絶えない。しかし一方で特に日本は少子高齢化が進み、人手不足は如実であることから、ロボットに頼らざるを得ない状況も拡大している。この両意見を踏まえて、AIと人間が共存していくために必要なのは、人間による倫理的判断であると考えた。
あくまでAIやAI搭載のロボットは人間生活の手助けである、ということを念頭に置き、その便利さに甘えすぎないことが何よりも重要なのだ。AIの発展と同時に人々のQOLが向上するために、我々創造理工学部生は様々な角度から社会を知って、技術の適切な用い方を熟考することが必要だと思う。
 

コメント

私は今まで、「AIによって今ある職業が無くなる」「AIが人間を超える」など半ば恐ろしいような話ばかり聞いてきたが、今回のプレゼンテーション製作過程を通じて、AIと人間の共存における希望が見出せた気がした。何事も悲観的になりすぎず、今ある事象をどのように活用して行くか考えて行くことが重要であると感じる時間になった。“創造”理工学部生として創造することの真髄を熟考することの第一歩がこの授業であると思う。
(永尾美沙)
 
創造理工リテラシーの授業を通して、今まで漠然としていたAIについての理解が深まったと改めて実感する。AIはただ便利なものとしか認識してなかったが、AIによる事故やそれに付随する責任問題など、危険な一面もあると学んだ。班のメンバーと、状況的には斟酌の余地はないのかなどの議論をしたのは新しい考えを得る貴重な時間だった。最終的にAIと人との共存の方法をこれからも模索していく必要性を感じさせられた。
(杉山壮真)
 
この授業を通して、人工知能に対する知識を得ることができた。今までテレビなどで聞いたことはあったが、具体的な事例や使われ方などは知らなかったので、この授業は人工知能のことを理解する良い機会となった。また、グループワークでは自分以外の人の人工知能に対する考え方などを聞くことができ、知識の幅が広がった。
(山本直哉)
 
人工知能という昨今関心の高い話題を通してグループワークやプレゼンテーションなど、将来就職してからも大事になるようなアクティビティを学んだ。プレゼンテーション演習では学部長賞を受賞するほど熱心に取り組んだことで、学べたことはとてもたくさんあった。頭で考えたことを人に伝えるためにどうするべきかがとてもよく学べる授業であったと思う。
(竹内順宇)

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