仲間とともに学びを深め、
自分の進むべき未来へ

総合機械工学科 学部4年
長島 菜摘Nagashima Natsumi
滝沢研究室
2018年度インタビュー

Q 現在の研究を教えてください。

私は滝沢研究室で流体力学に関連した研究をしています。流体とは、水や空気といった流れのこと。流体であればどんなものでも、一つの方程式を使って解くことができます。滝沢研究室では、そんな流体に実験ではなくシミュレーションでアプローチします。例えば、自動車のエンジンに組み込まれたエンジンバルブという部品。とても小さいので、実験によって内部の流体の挙動を調べることは困難ですが、シミュレーションであれば挙動を分析することができます。
現在、私は卒業論文に取り組んでいます。この研究は企業との共同研究で、テーマはサイクロン型掃除機の内部の流体を解析するというものです。サイクロン型掃除機は、空気とゴミを一緒に吸い込んで、ゴミだけを取り除き、空気を排出します。このときサイクロン型掃除機の中でゴミと空気は分離し、ゴミは空気より重いのでゴミ受けに落下します。この機構内部の流体の挙動を、シミュレーションを使ってさらに詳細に理解することで、より効率的にそして確実に空気とゴミを分離できるようになるはずです。

サイクロン機構内部のシミュレーション画像

教授の近くで
日々最先端の分野を研究

Q 所属されている滝沢研究室について教えてください。

滝沢研究室は「流体 – 構造連成」を専門としています。流れの中に物があると、流れに変化が起こりますよね。それと同時に、その物体が形を変える構造であれば、流れに押されて形を変える。こうした相互作用を流体 – 構造連成といいます。教授の滝沢研二先生は、この分野の第一人者です。
滝沢先生は生徒とのコミュニケーションを重視する方です。些細なことでも相談に乗ってくれるので大変心強いです。
滝沢研究室は流体機械と医療、自動車、航空宇宙など様々な分野で研究を行っています。それぞれ研究テーマごとに、班分けされています。各班に学生は学部三年生から博士課程が所属しており、分からないことがあれば質問できるような体制になっています。

興味のあることを
とことん追求してほしい

Q 総合機械工学科のどんなところを高校生にすすめたいですか。

物理が好きな人におすすめしたいのは、実は総合機械工学科なんです。なぜなら、総合機械工学科なら機械力学・材料力学・熱力学・流体力学の全てを学ぶことができるからです。これらの分野は、高校で勉強した物理のイメージに比較的近いです。また、総合機械工学科なら、実際のものづくりに携わるロボット工学から、滝沢研究室のような数理的アプローチまで多種多様なことを学べます。入学時にどの分野に進むか決めなくても、入学した後からでも検討できるのです。
グループワークが多いのも特徴です。印象に残った授業に、班で工作実習をする「プロダクション・プラクティス」という授業がありました。5名ほどのグループでエンジンバルブの製作に取り組み、設計から組立てまで行いました。製図や設計が得意な人、加工作業が得意な人など、メンバーの得意分野を活かして協力できたのも楽しかったです。完成品が実際に動いたときの感動は、いまだに忘れられません。

Q これから総合機械工学科を目指す方にメッセージを。

これは特に女性に伝えたいのですが、理系の学科というと、男子ばかりというイメージをもたれるかも知れません。しかし、入ってみると女子だけが浮くことはなく、男女関係なく仲良くなれます。それに、いま「理系女子」は注目されていますから、理系入学の垣根は想像より低いと思います。
また、卒業後の進路についても自由な発想でいてほしいと思います。大学院で最先端の研究をするよりも、技術を通じて社会に貢献したいと思い、就職することを選びました。就職先は、シミュレーションの経験を活かせるシステム開発系の企業です。3年生という早めの時期からの研究室配属だったこともあり、自分の研究分野についてより深く理解して就職活動に臨めたのもプラスに働きました。創造理工学部での4年間で身についた「粘り強く調べ上げ、自分なりの結論を出す」という姿勢は、きっと会社に入ってからも役立つと思います。