学部長賞受賞作品

発電方法から考えるエネルギー問題

 皆さんこんにちは。私たち**班はエネルギー問題を、主に発電方法の観点から考えてみました。今後、先進国でも発展途上国でも電気使用量が増えるのは目に見えています。よって今後エネルギーとどのように付き合っていくかが大きな課題になってくると思いました。
 現在主として考えられる発電方法は主にこの3つのだと考えられます。私たちはこれを「発電の三本柱!!」と呼ぶことにしました。これからこの3本柱のメリット、デメリットを比較してもう一度現在の状況を見直していきたいと思います。
 まずは火力発電です。最も発電量が多い発電方法です。ちなみに今は福井県の大飯発電所以外の原発は停止しているので、全発電量に占める火力発電の割合は75%以上に増えています。メリットとしては安定した電力供給ができることが挙げられます。また、時間帯を考えての発電量の操作が可能です。これらは2つとも火力発電の大きな特徴です。どういうことかというと、そもそも発電は発電タービンを回すことで行われます。火力発電では化石燃料を使用して熱エネルギーを生み出し、そのエネルギーで水を蒸発させ蒸気を作り、その蒸気で発電タービンを回します。ということはどれだけ化石燃料を使うかによって発電量をコントロールできるということですね!!電気使用量が多い昼や夏などの期間に合わせて余剰な電力を作らなくてすみます。デメリットとしてはまず地球温暖化への影響が考えられます。ものを燃やしているいじょう、必ず二酸化炭素が排出されます。地球温暖化が進む→エアコンを使用→さらに電力が必要というイタチゴッコになってしまいます。また有限である化石燃料を使用しているので、いつまでも使えるというわけではありません。
 次に水力発電です。水力発電は簡単に言うと水が落下する力を利用してタービンを回すという仕組みです。よって、火力発電とは異なり二酸化炭素を排出しません。また太陽光や風力などと同じように再生可能エネルギーなので資源がなくなるということは起こりません。また、他の再生可能エネルギーより低コストで発電することが出来ます。デメリットとしては電力供給が不安定ということです。これは全ての自然エネルギーに共通すると思うのですが、例えば水力発電の場合だと雨の量によって発電できる量が大きく変わってしまいます。またメリットだけに注目すると環境によさそうに見えますが、それは発電所建設後のことで、発電所を建設する際には森林を破壊してしまい環境破壊や地球温暖化にもつながってしまいます。
 最後に原子力発電です。原子力発電の仕組みは火力発電とかなり似ています。火力発電は化石燃料を燃やして熱を得るのに対して、原子力発電は核分裂の際に生まれる熱エネルギーを利用しています。メリットとしては安定した電力供給が出来るということです。また少ない燃料で大きなエネルギーを得ることが出来るので経済性に優れています。デメリットとしてはやはり放射性廃棄物が出ることです。放射性廃棄物の処理の問題は様々な意見があると思われます。しかし、ここで火力発電と水力発電と比べるとメリットのほうが多い気がしませんか?安定した電力供給もできるし、二酸化炭素も排出しません。
 しかし、いまだに大きな問題になっているように一度事故が起きると取り返しのつかないような被害がでてしまいます。3.11以降全世界で原子力発電に対する見直しが行われ、ドイツのように原発0にすることを決めた国もあります。
 今まで信じられてきた安全神話が崩れ、私たちの「発電の3本柱」も崩れてしまいました。そこで現在原子力に変わる新たなエネルギーを考えようと思います。
 まず始めにメタンハイドレートです。メタンハイドレートは化石燃料に比べて二酸化炭素の排出が少ないと言われています。またこれが一番大きい利点だと思うのですが、日本の200海里内に多数存在していて資源のほとんどない日本において貴重な国産資源として大きく期待されています。
 次にバイオエタノールを挙げたいと思います。ここには二酸化炭素排出なしと書かれていますが、正確にはバイオエタノールはトウモロコシやサトウキビから得られるものなので化石燃料と違って大気中に存在する二酸化炭素の総量を変化させないということです。
 また植物から得られるということで資源循環が可能で、またそれを栽培している農家の人々も利益を得ることが出来ます。
 最後にシェールガスを挙げたいと思います。シェールガスとは泥岩の一種である頁岩層に含まれている天然ガスで、以前は採掘が難しかったのですが、技術が進み大幅に生産が拡大しました。またシェールガスはアメリカや中国などでの生産が見込まれていて日本において存在する可能性はほとんどないです。低コストでの採掘が可能で、さらに自国内での生産が可能なので中東やロシアなどから輸入する必要がなく独立した価格体制を敷くことが出来ます。なので、アメリカ国内ではかなり注目されている資源です。
 しかしどの方法にもやはりデメリットは存在して、メタンハイドレートは二酸化炭素の20倍以上に温室効果があるメタンガスを放出する。バイオエタノールは原料に食料を用いるので、いまだ増大している人口にたいして食料不足をもたらす。シェールガスは採掘の際に化学薬品による深刻な環境汚染などが心配されています。
 今まで様々なエネルギーについて考えてきました。確かにそのことは重要です。しかし、それよりも電力の消費量自体を減らしていくことが重要だと思います。しかしその取り組みは少数の力ではなかなか解決できることではありません。各国が協力しあってこの大きな問題に取り組んでいくべきだと思います!!
 ご清聴ありがとうございました。これで発表を終わります。