ITメガベンチャーの採用を一手に担う
その支えとなる知見は経シスでの学びから

株式会社アルテニカ 人事部 執行役員
田中 祐哉 Tanaka yuhya
菱山研究室
2022年度インタビュー

論理的に考え改善するプロセスは仕事にも生きている

Q いまのお仕事の内容について教えてください。

株式会社アルテニカという企業で、人事と採用の業務を担当しています。弊社は、2013年に創業したベンチャー企業で、ネットワークエンジニアの派遣事業と自社での受託開発を行っている企業です。

この会社との出会いは、大学3年生の時です。代表ともともと知り合いで、就活に有利になればと思い、インターンとして立ち上げから参加しました。最初はスタートアップだったこともあり、営業からエンジニアの教育まで、なんでもこなしていました。その半年後からは人事担当になり、当時まだ学生の身分でありながら、学生を採用するという経験もあります。その後も大学院に通いながら、インターンとして関わり続け、卒業と同時に正社員として入社し、今に至ります。

Q 現在の仕事と大学での学びとのつながっている部分はありますか

卒業から数年経ったいまになって、大学での学びと今の仕事が結びつくことがあります。例えば、ものごとを論理的に組み立て、問題点を抽出し、どのように改善するか、といったPDCAを回す習慣は、学生時代に身についたものです。なにか新しい取り組みや体制を作るときにも、楽観的に考えるのではなく、データや数字に基づいて、狙った効果を出すように心がけています。実際、採用スキームの構築には、経営システム工学専攻で学んだ知見が生かされています。

現在、弊社の採用には、AIツールを導入しています。社員の入社後のパフォーマンスをデータで蓄積しており、適性試験とその後のパフォーマンスの関係性について、分析したデータから把握するようにしています。例えば、早期退職者の傾向をデータ分析することで、同じような傾向にある人は、早く退職につながる可能性がある、ということがわかります。これにより面接の段階で、面接官の経験や勘に頼らず、データや数値から人材を判断できるようになりました。その結果、弊社では採用人数を増やしながら、スピードの向上を実現しています。こういったスキームの構築は、経営システム工学専攻にいたからこそ、たどり着けたものだと思います。

学業とインターンを両立しながら大学院卒業までこぎつける

Q 在学時に行っていた研究について教えてください。

在学時は、菱山研究室で「翻訳Webサービスにおける連携による品質向上」について研究していました。翻訳の精度を高めるために、どのようにWebサービスを連携させるといいのか、設計構造マトリックス(DSM)をサービス連携に組み込む形で活用し、明らかにしていきました。従来あった手法を統合することで、より精度の高い翻訳を可能にしています。

Q 経営システム工学専攻に進まれた背景について教えてください。

中高生の頃から、漠然とした経営への興味がありました。ちょうどその時期は、ライブドアやサイバーエージェントなどが急成長している時代でした。私もサイバーエージェント社長の藤田晋さんの本も読んで、そういったブームに感化された部分もあったと思います。そんななかで、理系でありつつ経営への関心も高まって、経営システム工学科への進学を決めました。

入学後は、他の学科よりも時間があったことで、学業以外にもいろいろな経験を積むことができました。その達成感から、インターンにも参加できるほど、人よりも早く就活に臨める体制が整っていた感じです。その後インターンをしながら大学院に進みましたが、菱山先生の理解と応援によって、卒業までこぎつけられたと思っています。先生には本当に感謝しています。

さまざまな学びに触れる環境を生かして自分の価値を高める

Q 田中さんから見た経営システム工学科の特徴を教えてください。

社会の実態に基づいた学問を学べるところが、大きな特徴だと思います。社会に出た時に役立つ知識や視点を学べたと、卒業したいまはとくに実感します。この学科での学びは、いろいろな活かしどころがあり、卒業生も多分野に渡って活躍しています。そのため、将来なにをしたいか明確でないけど、社会でしっかり活躍したい人におすすめです。

さまざまな学びに触れられる学科なので、その環境をうまく生かしてほしいと思います。ですが、なにもしなかったら、何も生まれない環境ということもできます。さまざまなことに興味を持ち、いろいろなことを経験してほしいです。いまは、個が尊重される時代です。なので、ここでの経験や知識、価値観が、きっと自分の価値を高めてくれますから、それらを糧にして、生かしていってほしいと思います。