2014.12.07
環境を学ぶ者にとって、巨大災害時における、環境破壊とその修復は真正面から立ち向かうべき課題といえる。学科名に環境を入れている「環境資源工学科」は、今回の東日本大震災に対して、学科教員全てが震災の復旧・復興に対する技術支援を考えており、「早稲田大学東日本大震災復興研究拠点」の一つとして既に活動を開始している。様々な専門領域の教員から構成される学科の力を結集し、「環境破壊の実態解明」と「汎用性の高い対策技術の提言」をめざしている。
私の研究例を紹介しよう。(写真1)は、震災から4ケ月経った仙台平野の遠望である。地震前は水田など農地であった地域が、その後手つかずに荒地となっている。厚いところで数10cmに及ぶ津波堆積物(写真2)が農地を覆い、さらに海水による塩害が耕作を妨げている現状である。「このような状態を如何に修復するか?」・・・・塩害の詳細状況の解明およびその修復材料の開発に力を注いでいる。とくに、省エネかつ低コストをキイワードとして、東北地方に産する自然起源資材の利用を考えている。研究のための研究ではなく、被災地の復旧・復興に貢献できる研究およびその成果を生かせる枠組みづくりに努力している昨今である。