学部長賞受賞作品

AIに人権を

10班Cグループ
総合機械工学科 加藤 浩瑞 
社会環境工学科 上野 颯斗
社会環境工学科 齋藤 七菜子
環境資源工学科 阿部 和希
 
AIとはArtificial Intelligenceの略であり、和訳すると人工知能という意味である。そして、人工知能とは論理的な推論を行い、様々な経験から学習をするコンピュータープログラムのことを指している。人間とほとんど同様の知能を有しており、いわば、人工的に作られた脳のようなものである。感情を表すプログラムを組み込めば感情を表すことも可能となっている。
ここで、いくつかの事例を紹介する。例えば医療の分野では、患者の診断で運用されている。たくさんの患者のデータや医学に関する資料を人工知能に学ばせることで、より素早く精度の高い診断が可能となった。他にも、人工知能弁護士として活躍している。膨大な法律に関連する資料から回答するという仕組みであるが、より関連度の高い回答を探し出すことが出来るため、大量の情報に惑わされることなく回答することができる。そして、最近話題の自動運転においても利用されている。また、将棋や囲碁においてもプロに勝利するという驚くべき結果を残している。AIは膨大な計算により、相手の何手先も読むことができるからである。
そこで、私たちは今回、AIのメリットを活かし活躍している三菱総合研究所に注目した。三菱総合研究所は、2030年までにGDPが50兆円に増加するという予測をしている。人間の代わりに、工場での作業や一般的な事務をAIが行うことで能率が向上するためである。これほどまでにAIが活躍する理由として、AIが判断を学ぶにあたってお手本となる膨大なデータを収集することが可能になったこと、計算環境が進化して多くのデータやディープラーニングなどの人工知能アルゴリズムを適用できる環境が整ったこと、などが挙げられる。そのため、近年目覚ましく発展しているAIは様々な分野で多岐に渡り使用されることとなった。
しかし、AIは多くの分野で使用されすぎているのではないか。このままでは、AIを無秩序に使用することで起こる雇用の減少などの問題が発生してしまう。そこで、私たちは人権という概念をAIにも取り込むことができないか、という考えに達した。もしAIを人間として扱えるならば、他人の人権を侵せないという理由で傍若無人に振る舞うことができなくなるはずである。そうすれば、AIによる人間への問題を解決し、AIの脅威におびえず、共に歩んでいくことができるようになるのではないか。また、AIを優れた一人の人間として見ることで、共に地球に存在する隣人として協力することが可能になる社会が、形成しやすくなるとも考えた。AIの今後の役割は、人間の才能を補完するべき形であるべきである。
 

コメント

創造理工リテラシーの授業を通して、プレゼン演習や「ワールドカフェ」といったディスカッションなどの実践的な講義を受け、様々なことを学べた。普段できないような経験が出来るので、非常に良い時間を過ごせたと思う。今回のプレゼン演習では原稿係を担当した。原稿作成に関しては、伝えたいことをわかりやすく簡潔にまとめ上げるのが難しかった。AIの人権について扱ったが、難しい内容だったため苦戦した。この経験を将来に活かしていきたいと思う。
(阿部)
 
この創造理工リテラシーでは、私たちが日本を担う理系人として生きるための社会倫理を学んだ。メールの書き方から、グループワークの基礎、実際に研究に携わる先輩からの研究の極意など、多岐に渡って講義を受けた。将来的に、理系として活躍するにあたって、どれも社会で必要なスキルである。そういったことを、大学一年から学ぶことができるのは、創造理工学部の強みであると私は感じた。私が社会人となった暁には、この授業で会得したことを基に活躍していきたい。
(上野)
 
今回、学部長賞に選ばれてとても光栄です。今回のプレゼンテーションを作るにあたり、さまざまな人工知能の記事を目にし、この先の社会が全く予測できなく、目まぐるしく変わっていくということを読み取ることができました。そのような状況で世界の最前線に立てるように、大学での学びを大切にして、シンギュラリティになれるように進んでいこうと思います。
(加藤)
 
創造は人間だけのものか、AIにも可能なのか。この問いを考えるには、技術面のみならず倫理面の考慮も必要であるとわかりました。工学を学ぶ者の基礎となる精神を学ぶことが出来たと思います。
土木は地域住民との間に問題を抱えることが多くあります。例えば防災のためなら地域の文化、伝統は失われても良いのでしょうか。それは数字では測れないものです。今回の学習を生かし、効率ばかりでなく、人の心も同時に考えていける技術者を目指したいと思います。
(斎藤)

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