データ分析を用いて経営的課題へアプローチ
ーー関心を広げ多彩なことに熱中できる

経営システム工学科 学部4年
田中 大河 Tanaka Taiga
蓮池研究室
2022年度インタビュー

機械学習で野菜の異常価格を検知する

Q 卒論の内容について教えてください。


私が主に調査した市場では、一定期間価格を変えない時期がありました。ですが、他の地域では常に価格変動があるため、相対的にその市場での価格が高くなったり安くなったりしてしまいます。最近では他の市場価格データに基づいた価格決定もできるので、このようなデータを活用した価格設定システムの導入を提案しました。

私の研究では、XGboostとNGboostという機械学習を使用しています。どちらもPythonを用いて、さまざまな要素を組み込み、AIが目的の関数を予測する手法で、多様なデータを使用して予測された結果を得ることが可能です。

そこでNGboostでは、XGboostを応用した異なる方法で異常検知に取り組みます。NGboostでは予測の期待値だけでなく標準偏差も共に算出できるので、予測値の信頼区間から異常値を求めることが可能です。
NGBoostには問題点があり、多数の値を入れると計算が複雑化しすぎて、計算に時間がかかり、変な結果が出てしまうこともあります。

数理モデルや統計データを用いて経営を工学する

Q 専攻や研究室を選んだ理由について教えてください。

高校時代から理系に進みたいと考えていましたが、文系の分野にも興味がありました。そこで、理系の中で文系にも近いことに取り組んでいる経営システム工学専攻を選びました。経営システム工学専攻では、システムを構築することで経営の困難さをマネジメントすることを目指し、プログラミング、統計、物流など企業の根幹を担うシステムをあらゆるアプローチから学ぶことができます。

なかでも蓮池研究室は、数理モデルや統計的な要素を用いたマネジメントに取り組んでいます。講義を受けるなかで次第にデータ分析への興味が強まったので、私にとっては最適な研究室でした。蓮池研究室では、データ分析の他にもシミュレーションやオペレーションズリサーチなども取り扱っており、モデルを構築し、仮想空間を作成してシミュレーションを行い、未来を予測することができます。

研究テーマは、学生自身が自由に決められます。その分自ら切り拓いていかないといけませんが、追いつけない時には先生がキャッチアップしてくれるので安心です。そのなかで具体的にどのように取り組んでいくのかは学生に任されています。

研究もお笑いも自由にやりたいことを

Q 面白かった講義について教えてください。

「経営システム入門実験」という講義では、学生がチームごとに分かれて、課題に対して自分たちの答えをディスカッションしながら導き出していきました。例えば利益を最大化するために最適な物流の仕組みを考える、というような実際の企業が抱える経営課題を簡略化したものがテーマとして与えられます。ディスカッションしながら課題に取り組むことで、他の学科よりも人と話す時間が多く、友達も多くできました。

またプログラミングの講義ではC言語の一種である「C++」をメインに、プログラミングの基礎的な考え方について学びました。毎週課題が出て、コードを書いて持っていくため、大変な部分もありますが、C言語は基礎的な言語なので、その後の研究で使うPythonなどの他の言語もすんなり頭に入ってくるようになりました。研究やキャリアの選択肢が増えることもプログラミングの魅力です。

Q 学問以外で熱中したことはありますか。

お笑い活動に取り組んでいます。大学の友人と3人でトリオを組んで、寸劇のようなコントをライブで披露しています。最初はサークルに所属していましたが、徐々に独立して、自分たちでライブを主催するなど、自由にやりたいことに取り組んでいます。経営システム工学専攻は、他の専攻より時間があるので、学問以外にも自分のやりたいことに熱中できました。

Q 将来について教えてください。

修士に進んで、人間の意思決定と統計を利用するようなテーマで研究に取り組みたいと考えています。