海外就職も視野に入れながら
石油工学の知見を深める

環境資源工学科 学部3年
湯澤 真理子Yuzawa Mariko
栗原研究室
2018年度インタビュー

Q 研究室は、栗原研究室の配属になったそうですね。

最後まで研究室を絞りきれず迷っていたんです。古井研で石油・天然ガスの掘削・坑井仕上げ・生産・貯留の研究をするか、栗原研で油層のシミュレーション分析やエネルギー開発について研究するかの二者択一まで絞れていました。ところが、研究室選択の締め切り1週間前に開かれた各研究室の説明会で、山崎研究室では再生医療に関わることができると知り、急に興味が湧いてしまいました。結局、山崎研と栗原研とで悩みに悩んで、締め切り前日に栗原研に決めました。
決め手となったのは研究のフィールドの広さでした。栗原研は石油・天然ガスの貯留層のモデリングや埋蔵量評価を専門とする研究室ですが、地熱に関する研究もしているので、幅広く学べる栗原研なら自分の専門の選択肢が拡がると考えたのです。

環境保全と資源開発は
車の両輪のように機能しあっている

Q 環境資源工学科の魅力を教えてください。

環境と資源の両方を学ぶことで、両者の関係性が理解できるのが一番の魅力ですね。環境資源工学科に入学した当初、学科名から環境問題を扱う学科なのだと思っていました。しかし、1年次にはむしろ資源開発についての授業が多かったので、ギャップを感じました。その後、徐々に環境分野に関する授業が増えてきたのですが、1年次に培った資源の知識がないと理解は難しかったと思います。どちらかだけを学ぶというものではなく、切っても切り離せないものだとわかるようになってきました。
例えば、栗原先生の授業「環境開発工学概論」では、資源開発の過程で環境を保全する方法があることを学びました。石油の採掘現場では、まず岩盤に重機で穴を開け、そこから石油を採取します。しかし、内部に石油が残ってしまうことがあります。その場合、CO2を注入することにより、その圧力で残った石油を取り出すことができるのですが、さらに、その際に注入したCO2をその穴に閉じ込めてしまうことでCO2を岩盤内で処理することができます。環境保全と資源開発は、車の両輪のように関係し合っているのです。

Q 印象に残った授業はありますか?

2年生の無機化学実験では、大隈庭園の池から水を採取し、成分分析を行いました。分析は複数回行うのですが、初期段階ではph測定のような単純な分析だったので、10ページ程度のレポートで済んでいました。しかし、実験が進むにつれ、酸化還元滴定など分析の項目が増えていくので、それにともなってレポートの量も増えていき、最終的には、60ページにも及ぶ長いレポートになったのです。
当時はすごく大変だと思っていたのですが、実験がまとまった形に残るので、提出後には達成感がありましたね。今振り返ってみると、卒業論文の良い事前練習にもなったと思います。
※酸化剤、還元剤を数滴たらすことで、対象の濃度を調べる方法。

外国で仕事をする夢のため
研究と英語に励みたい

Q 大学卒業後の進路は考えていますか?

大学院に進学し、修士課程修了後に就職する予定です。業界など具体的なことはまだ考えていませんが、海外で働くことに興味があります。中学生の頃にオーストラリアにホームステイしたことがあったのですが、そこでは家に馬がいて、季節も日本と真逆。とても刺激を受けたので、もう一度あの感覚を味わいたいと思っています。そのために大学院での研究でスキルを身につけるとともに、修士課程までの3年間で英語力を磨き、海外で働ける人材になりたいと思います。