早稲田は「日本一楽しい大学!」
たくさんの熱い人たちのなかで楽しもう

経営システム工学科 学部4年
五井 友梨奈Goi Yurina
高橋真吾研究室
2016年度インタビュー

Q 研究室ではどのような研究に取り組んでいますか。

高橋真吾先生の研究室で、消費者行動と市場との相互作用について研究しています。消費者の行動が市場に影響を及ぼす傾向にある分野はいくつかあるのですが、研究室で注目しているのは、専門的な製品の市場です。たとえば、登山製品やマウンテンバイクなど、専門的な製品や部品を購入する愛好家たちは、専門的な知識を持っている人が多く、自分のニーズに合わせてカスタマイズすることも少なくありません。このようなユーザーによるカスタマイズから、製品の新しい発想や使い方が生まれることもあります。これがいわゆるユーザーイノベーション(UI)です。このUIが市場を刺激し、メーカーが新しい製品を開発するケースもあります。
しかし、必ずしもUIが新製品の開発につながるとは限りません。UIがすぐに愛好家全体に伝播し、問題が解決してしまえば、新製品の必要はなくなるからです。では、UIはどのような条件の下、どのように伝播していくのか。これが課題になります。
これまで、研究室の先輩方がシミュレーションによって、UI発生の条件やプロセスを推測してきました。私は被験者実験を行って、実際にどのようにUIが伝播していくのかを確かめようとしています。

Q 具体的にはどのようなことを行っていますか?

被験者実験に使ったのは、数独※というパズルです。研究室のメンバー29人に数独を解いてもらい、解法やコツがメンバー間でどのように広まるかを観察しました。その際、研究室の中でも、数独が得意なメンバー3人を「イノベーティングユーザー」に設定。彼らにはわざと難易度の低いパズルを解いてもらって、情報を発信する立場になるようにしました。すると、いわゆる「相談行動」が発生。イノベーティングユーザーが他のメンバーの相談を受けるようになり、情報が全体に広まりました。
先輩方が行ってきたシミュレーションでは、規模の大きいコミュニティの方が、相談行動が活性化し、ニーズの誕生から衰退までのスパンが短い、つまり問題解決の速度が早いという結果が出ています。それが実験でどうなったのか。その結果について、今、分析している最中です。どのような結論になるか楽しみですね。

Q 高校の頃と比べて、大学の研究で大変なことは?

今、取り組んでいる卒業論文がいちばん大変です(笑) 高校までもそうでしたが、大学も学部3年までは、もともとある知識を「勉強」すればよかった。ところが、卒論は勉強していてもできません。わからないことをわからないなりに調べ、結論を出さなければならないのです。ここが「勉強」ではなく、「研究」なのだと思います。
でも、研究室の雰囲気が良く、和気あいあいとしていて楽しいです。先輩方もよく研究室にいるので、相談できて助かります。先生もゼミなどでしっかり指導してくれるので安心ですね。

Q 研究にはどのような能力が必要だと思いますか。

ひとつは自主性だと思います。自分で課題をつくり、自分で研究し、自分で結論を出す能力です。でも、自主性だけでは独りよがりになってしまうかもしれません。ですから、もうひとつの能力が必要だと思います。それは、わからないことを誰かに聞く力です。
私の場合、自分で考える力が身についたかどうかはわかりませんが、人に聞く力については、多少なりとも伸ばすことができたと思います。人間、追い詰められると、成長できるものなのですね。

使える知識に良い就職実績
経シスは「コスパの良い学科」

Q 五井さんにとって経営システム工学科とはどんな学科ですか。

適切な表現かどうかはわかりませんが、一言で表すと「コスパが良い学科」です。コストパフォーマンス、つまり費用対効果がとても高いと思っています。
まず、経営システム工学科では、統計学、製品開発、情報システムなど、実社会で役立つ、いわゆる使える知識を幅広く学べます。だからだと思いますが、就職実績も非常に良いと評判です。一方、理系にしては授業が比較的難しくないので、学外活動に力を入れることもできます。私もアニメや漫画のサークルに所属していましたし、2年生の頃には本部キャンパスで行われる早稲田祭の運営スタッフもやりました。
しっかり学べて、学外活動にも参加でき、就職も良い――これほどコスパの良い学部はないと思いますね。

Q では、五井さんにとって早稲田とは?

「日本一楽しい大学」です! 自由な校風のなかで、いろいろな人がたくさんいて、しかも皆、何かしら熱いものを持っています。特に、早稲田祭運営スタッフをやった時に、刺激を受けました。大学祭は、学生もお客さんとして楽しむことも可能です。ところが、運営スタッフになった途端、「サービスする側」になり、同じ学生から「円滑に運営できて当たり前」だと思われます。楽しようとばかり思っている人から見たら、やりたくないはずです。そんな役割を自ら率先して務めようとする人たちですから、すごい人ばかりでした。
そんな人たちのなかで刺激的な学生生活を謳歌したい人は、ぜひ早稲田に入って欲しいですね。

※数独 9マス×9マスの正方形の枠内に、1〜9までの数字を入れるパズル。9×9の枠は、さらに3マス×3マスのブロックに区切られていて、そのブロックにも1〜9までの数字を入れなければならない。