理論だけじゃなく、実際に機械を作る学科
ものづくり好きもきっと満足できます

総合機械工学科 学部4年
杉田 愛Sugita Ai
大谷淳研究室
2016年度インタビュー

Q 研究テーマを教えてください。

ほかの研究室との共同研究で、ガズ漏れの際、ガス管に空いた穴や亀裂を発見するロボットの開発に携わっているのですが、私は画像処理技術を活用し、ロボットの視覚機能を担当しています。今は、ガス管内を動画で撮影することにより、ロボットがどれだけ管内に進入したかを導き出せるようにするため、プログラムを組んでいるところです。これが成功すれば、地上にいながらにして、ガス管の穴・亀裂の位置を特定できるようになります。

Q どのような画像処理を行って、距離を測定するのでしょうか。

まず、ガス管内を進むカメラは、特徴のあるポイントを認識できるようにします。ガス管は鋳造で作られますから、表面がザラザラです。その凹凸を特徴点として認識させます。 一方、カメラが先に進むと、凹凸がある場所に近づくわけですから、画面上の凹凸も変化するはずです。カメラが○○センチメートル移動すれば、画面上の凹凸の場所は△△ピクセル移動するという関係が成り立ちます。この関係をプログラムに組めば、ガス管内で目で確認できなくても、ロボットの位置がわかるのです。
ただ、言うは易く行うは難しで、なかなかうまく行っていません。今、その原因を探っているところです。大変ですが、研究室の皆が助けてくれるので、それを励みに頑張っています。

Q 総合機械工学科を志望したきっかけは?

ホンダ製のパーソナルモビリティ「UNI-CUB」です。高校1年生で、ちょうど文理選択の時期にテレビで見たのですが、その構造の発想が衝撃だったのです。あまりにも衝撃的で「私もこんな発想してみたい!」と、一も二もなく理系を選択、機械科にまっしぐらでした。
UNI-CUBはセンサーが体重移動を感知するので、体を傾けるだけでその方向に進むのですが、特徴的なのは、車輪の構造です。前後方向に動くための大きな車輪があるのですが、その車輪が、垂直方向を向いた小さな車輪が連なってできています。その小さな車輪が回転すると、車体は真横に動きます。そのため、横方向に進むために旋回する必要がないのです。

授業はかなり大変だけど
その分、学生たちの仲は良い

Q 総合機械工学科の特徴を教えてください。

まず、教授陣が日本を代表する研究者の集まりで、最先端の研究に携わることができるのが第一の特徴です。さらに、講義内容も充実していて、たとえば学外の方を招いて講義を行うことがあります。私が印象に残っているのは、企業で働くエンジニア、もしくは引退した方による講義です。今、流通している商品について、作り手から直接エピソードを聞ける機会は滅多にありません。とても興味深い話をいくつも聞けました。
それから、とにかく実践的な授業が多いです。同じ機械科でも、ほかの大学だと、理論的な部分だけしか教わらないようですが、早稲田はとにかく機械を作ります。そのための設備も充実しているので、ものづくりが好きな人はきっと満足すると思います。

Q 学科の雰囲気はいかがでしょうか。

総合機械工学科は早稲田のなかでも授業が大変で有名な学科のひとつです。2年から3年前期は特に大変で、実験がほぼ毎週あって、そのたびにレポートを提出しなければならないのに、普通の授業でもレポートやテストがあって、毎日深夜まで眠れない時期もありました。
でも、授業が大変な分、学生同士で団結し、励まし合いながらやってきたので、皆仲が良いです。必修の授業が多く、学科全体が一つのクラスのような感じで、和気あいあいとしています。大学に入ったら友達ができるかどうか不安な方もいるかもしれませんが、心配いりません。

Q 女性の割合が少ないですが、その点は?

全く心配ないですね。私は中高一貫の女子校育ちで、最初はかなり不安でしたが、そんなにかからずに馴染めました。遅くてもゴールデンウィークには慣れると思います。
他大の理系学科に進学した友だちが何人かいるのですが、彼女たちによれば、理系の男子学生たちは女子に対して緊張してドギマギしたり、意識して話しかけてくれなかったりするそうです。学外で一緒に遊んだり飲んだりすることも少ないとか。一方、早稲田の男子学生たちは、いい意味で女子を女の子扱いしません。普通に接してくれるし、気さくに話しかけてくれます。変に意識しないでいいので、女子学生にとってとても居心地がいい大学ですよ。

Q 最後に早稲田の魅力を教えてください。

いろいろな魅力があると思いますが、イベントがとても盛り上がりますね。早稲田祭など、一般に向けたイベントはもちろんなのですが、学生だけのイベントもおすすめです。たとえば100キロハイクは、埼玉県本庄市から早稲田までの約100キロをただひたすら歩くだけのイベントなのですが、一生の思い出になるという人もいるほどです。早慶戦もかなり盛り上がりますね。
どのイベントも、一体感がすごいです。皆、照れもなく、全力で盛り上がっていのも早稲田らしいと思いますね。こんな学生生活ならではの経験を送りたい人は、ぜひ早稲田に来てください!